妊娠中は味覚が変わる?栄養のかたよりに気をつけよう

 

妊娠すると現れる症状の一つに、味覚が変化することがあります。
「普段コーヒーをブラックで飲んでいたのに、砂糖やミルクを入れないと飲めない…」
「何を食べても苦い…」
そういう症状が起きる妊婦さんは珍しくありません。全員が味覚の変化を感じるわけではありませんが、なぜ妊娠中に味覚が変わってしまう人がいるのでしょうか?

 

ここでは、味覚が変わる原因と時期、味覚が変化しているときに気を付けたい栄養のかたよりについて、解説していきます。

 

妊娠中に味覚が変わるのはなぜ?

妊娠中に味覚が変わる人が多いのは事実ですが、実はまだその原因がはっきりとしていないのが現状です。ですが主に関係していると思われることが以下の2つです。

 

ホルモンバランスの変化

女性の月経周期にも関係していますが、黄体期に分泌される「プロゲステロン」という物質の作用に、味覚を鈍くする作用があることがわかっています。また、この「プロゲステロン」によってホルモンの受容体が少なくなることにより、味覚機能が低下する傾向にあるようです。

 

塩分やカロリー摂取の過多

妊娠中は胎児の発育のために代謝が上がり、血流も増えてきます。それに伴い体に必要な塩分摂取量も増えていき、妊娠中期にはカロリー摂取量が多くなる傾向にあるので、味覚の変化になんらかの影響を及ぼしていると考えられています。

 

 

味覚が変化するってどういうこと?

 

1.嗜好が変化する
梅干しや柑橘類などの酸っぱいものが急に食べたくなったり、塩辛い食べ物やポテトチップスなどが無性に食べたくなります。ある人はスイーツなどの甘い食べ物やジュースなどが欲しくなります。個人差にもよりますが、酸味はつわりになると同時に無性に欲しくなるなど、妊娠前期に起きることが多いようです。塩味は、妊娠後期から塩分摂取量が増えていくことから、妊娠後期になるとしょっぱいものを食べる人が多いようです。甘味は、妊娠中期に食べる量が増える傾向にあるようです。

 

2.味覚を感じなくなる
中には何を食べているのか分からないという、味覚障害になる人もいるようです。これらはもちろん、すべての妊婦さんに当てはまるというわけではありません。本来の味とは違った味に感じる人もいれば、何を食べてもおいしいと感じないという人、味覚の変化はなかったという妊婦さんもいるので、味覚の変化には個人差があるということです。

 

 

味覚変化はいつまで続くの?

味の変化や味覚障害が起きると、いつまで続くのか心配になる人もいると思いますが、心配は要りません。これらの症状はつわりが落ち着いてきた妊娠中期から、味覚の変化は改善してきたという調査結果が出ています。妊娠初期はつわりや味覚の変化など、辛い症状を味わうこともありますが、それを乗り越えれば正常に戻ったという結果も出ているので、安心して過ごしていきましょう。

 

 

味覚変化による栄養のかたより

これらの味覚の変化により、塩分や糖分を取りすぎてしまうことで、体重の変化が著しくなってしまうと、赤ちゃんへ十分な栄養を与えられなくなってしまうだけでなく、生まれてすぐに赤ちゃんが低血糖症の恐れなどの問題が出てきます。そうならないためにも、しっかりと栄養面にも気を使いながら食事をしていきましょう。
具体的には、食事の「量」より「質」に意識を向けて

 

?いつもより野菜を多く取り入れる。
?塩分や糖分、加工食品を意識的に控える。
?1日2Lの水分摂取を心がける。

 

といったことを意識し、なるべく普段通りの食生活をするように心がけしましょう。

 

 

サプリメントの活用も視野に

ここまで妊娠中の味覚の変化について述べてきましたが、実際味覚が変わると思うように栄養バランスの取れた食事をするのが難しくなり、お腹の中の赤ちゃんのためにと焦ってしまうことがあると思います。そういう時は、妊婦さん向けのサプリメントも活用し、産婦人科などで相談しながらストレスなく過ごしていきましょう。

 

 

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