野菜を食べるときに気をつけたい残留農薬

 

皆さんは普段、食べている野菜や果物についている農薬、きちんと落とせていますか?
店頭に並ぶ野菜や果物のほとんどに、農薬がついています。
農薬が体に悪いということは知られていますが、それではなぜほとんどの野菜や果物に農薬が使われているのでしょうか。
農薬が私たちに与える影響、野菜のどの部分に多く残っているのか、農薬をしっかり洗い流すポイントなどを紹介していきます。

 

残留農薬とは?

「残留農薬」とは簡単に言うと、食べ物に残った農薬のことです。ですが農薬にも数多くの種類があり、用途別に様々な分類があります。

 

具体的には、
?殺虫剤
?除草剤
?抗菌剤
?植物成長促進剤
?殺鼠剤

 

などのことを言います。

 

農林水産省によると、“農薬とは農作物(樹木及び農林産物を含む。)を害する菌、線虫、だに、 昆虫、ねずみその他の動植物又はウイルスの防除に用いられる 殺菌剤、殺虫剤その他の薬剤及び農作物等の生理機能の増進 又は抑制に用いられる成長促進剤、発芽抑制剤その他の薬剤”と定義されています。

 

農薬が人の身体に与える影響

農薬の中で特に問題視されている「ネオニコチノイド」という成分をご存知でしょうか?比較的残留量が高い農薬のついた食物などを長期間、大量に摂取したり、散布農薬を至近距離から吸引したりすると、急性中毒や意識障害になるなど、大変危険な農薬の成分です。また、妊娠中の母親の体内にネオニコチノイドが大量に取り込まれてしまうと、胎児だけでなく幼児の脳にも作用します。神経回路を阻害し、自閉症や様々な障害を引き起こす要因になります。

 

農薬を使う必要はあるの?

農林水産省は農薬を使う目的をこう述べています。

 

1.農作物に発生する害虫や病気、雑草を取り除いたりするため。
温室内で育てられたり、大量に同じ場所で育てられたりすると病気が広がりやすく、大きな被害になりかねません。また、品質の良いものを安定的に供給するためにも農薬が必要です。

 

2.生産コストを抑えるため。
農薬を使わずに品質の良い農作物を収穫するには、大変な手間がかかり収穫量も少なくなってしまいます。その上、農作物の値段も高くなります。

 

病気や害虫から農作物を守るため、そして農家の生産量を保つためにも、農薬を使うことを減らすのはなかなか難しい問題です。「人体に影響が出ない摂取量だから大丈夫」、「ずっと摂取しなければ問題ない」と言われても、なるべく残留農薬が少ない野菜を安心して食べたいですよね。

 

農薬はどの部分に多く残っているの?

 

?葉野菜
野菜は一番外の葉っぱについています。注意したいのが、緑色の色が濃いパプリカなどは化学肥料をたくさん使っているので、しっかり流水で洗ってから沸騰したお湯ですばやくゆででください。

 

?果物やトマトなどの果菜類
ヘタのくぼみの部分に多く残っていることがあります。

 

?もやし
もやしの場合、薬品が根から吸収するので、根の部分に付着しています。
面倒でもひげ根を取ってから水でさっと洗うようにして下さい。

 

家庭で野菜の農薬を落とす方法

できるのであれば、誰だって完全無農薬の野菜を毎日食べたいですよね。家庭で野菜を安心して食べるためにも、調理前に下ごしらえで手を加えるだけで、大幅に有害物質などを除去・削減することができます。
これから野菜・果物の農薬を落とす洗い方を紹介していきます。

 

重曹水を使った方法

水が入ったボウルに重曹をスプーン1杯ほど入れて、溶かします。
そこに野菜を30秒ほど浸けます。
ここで注意したいのが、葉物野菜は長く浸けてしまうとビタミンが溶け出てしまう恐れがあります。1分以上は浸けないようにしましょう。

 

酢水を使った方法

酢1:水2の割合で薄めて野菜などを洗います。そのあと、流水ですすぎ洗いをします。酢には殺菌・防腐効果があり、お寿司や酢の物などにも使われていますね。食中毒の予防にも効果が期待できます。

 

50℃のお湯で洗う方法

50℃のお湯で野菜を洗うことで、菌を死滅させるだけでなく葉物野菜ならシャキッと新鮮な状態に復活します。ですが、40℃あたりまで下がると菌がまた増殖してくるので、温度管理が大事になってきます。

 

安心して野菜を食べよう!

私たちは誰でも、色や形がきれいで整っている野菜を選びがちです。しかし、それは一番農薬が付いているかもしれません。調理する前に、今回紹介した洗い方で農薬をしっかり洗い流せば、健康的に野菜や果物を食べることができますよ。

 

 

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