妊娠中に注意するべき成分<カフェイン編>

 

「妊娠中はカフェインの接種を控えた方が良い」と耳にした事がある方も多いのではないでしょうか。お茶やコーヒーなどの身近な食品にも含まれているため、妊娠中の方にとってカフェインは特に気になる成分でもありますよね。今回は、カフェインによる妊婦さんと赤ちゃんへの影響や、多く含まれているもの等についてわかりやすく解説していきます。

 

なぜ妊娠中はカフェインを控える必要があるのか

カフェインの作用には、中枢神経を刺激する事によって起こる「覚醒作用」や「血管収縮作用」、尿の出を良くする「利尿作用」等があると言われており、身体に多くの働き掛けをする栄養素です。コーヒーを飲むと目が覚めるという感覚は、カフェインの覚醒作用によるものと考えられますね。しかし、カフェインは過剰に摂取することで中枢神経が興奮し、不眠やめまい・消化不良などの症状が出てしまう事もわかっているのです。

 

では、このカフェインが赤ちゃんに送られることで具体的にどのような影響があるのでしょうか。カフェインが赤ちゃんへ与える影響について、次項でお伝えしていきます。

 

妊娠中のカフェイン摂取による影響

赤ちゃんはおなかの中で成長していくために、胎盤を通してお母さんの身体から多くの栄養素を受け取りますが、それはカフェインでも同じ事が言えます。しかし、赤ちゃんの消化器はまだまだ未完成ですので、胎盤を通して運ばれてきたカフェインを消化することが出来ません。つまり、赤ちゃんの体の中にカフェインが貯まってしまうと考えられているのです。赤ちゃんにとっては、それだけでも大きな負担であることは簡単に想像できますね。

 

また、カフェインの「血管収縮作用」によってお母さんの身体の血流が悪くなってしまうと、赤ちゃんの身体に送られる血液の量も減ってしまう可能性が出てくのです。お母さんの血液は、赤ちゃんにとって必要な酸素や栄養がたくさん含まれていますので、場合によっては赤ちゃんが酸素不足の状態になってしまうという事も考えられます。

 

実際に「英国食品基準庁(FSA)では、2008年に妊婦がカフェインを取り過ぎることにより、出生時が低体重となり、将来の健康リスクが高くなる可能性がある」「また、高濃度のカフェインは自然流産を引き起こす可能性があることを示す証拠がある」としています。

 

このようにカフェインは、妊婦さんや赤ちゃんに良くない影響を与えてしまう場合もある事がわかっているのです。

 

カフェインが多く含まれているもの

 

カフェインは、茶葉やコーヒー豆などから抽出させることが多い成分です。抽出されたカフェインは、炭酸の入った清涼飲料水の苦みを出すために使われる事もあるため、私たちが普段生活する中で知らず知らずのうちに摂取している事も多くあります。では、実際にどのような食品や飲み物にカフェインが含まれているのでしょうか。比較的多くカフェインが含まれている飲み物と、含まれている量の目安についてお伝えしていきます。

 

コーヒー

ドリップコーヒーであれば1杯80〜120mg程度、顆粒のインスタントコーヒーには1杯あたり90mg程のカフェインが含まれていると言われています。

 

紅茶

紅茶には、1杯あたりおよそ60〜80mgのカフェインが含まれています。インスタントのものであればおよそ30mg程度とやや低めの量となっています。

 

緑茶

一口に緑茶と言っても、様々な種類のものがあります。例えば玉露には150mlあたり240mg、煎茶・ウーロン茶であれば1杯あたり40〜50mg程度のカフェインが含まれているとされています。

 

コーラ

清涼飲料水のコーラには、1瓶当たり40〜60mgのカフェインが含まれています。

 

エナジードリンク・目覚まし用の清涼飲料水

こちらは製品によっても異なりますが、100mlあたり32〜300mgのカフェインが含まれています。製品1本あたりでいうと36〜150 mgとなり、製品によって違いが大きいことがわかります。

 

妊娠中にカフェインは禁止?

このように見ていくと、どの程度なら摂取していいのか、妊娠中はカフェインをまったく摂取してはいけないのか、と気になるところですよね。
妊婦さんだからといって絶対に摂取してはいけない、というわけではありません。「世界保健機関(WHO)は、2001年にカフェインの胎児への影響はまだ確定はしていないとしつつも、お茶、ココア、コーラタイプの飲料はほぼ同程度のカフェインを含んでおり、またコーヒーはその約2倍のカフェインを含んでいることから、妊婦に対し、コーヒーを1日3から4杯までにすることを呼びかけています。」とされている事から、1日の目安量を守って摂取する分には、問題ないと言えます。

 

まとめ

妊娠中のカフェイン摂取についてお伝えしてみましたが、いかがだでしたでしょうか。
妊婦さんがカフェインを摂取する際は、過剰な摂取に気を付けることが大切だという事がわかりましたね。適量であれば問題はない事がほとんどですので、我慢しすぎずにマタニティライフを楽しみましょう。急に量を減らす事はどうしても難しいという方は、カフェインレスのコーヒーなどの身体にやさしい製品も発売されていますので、ご自身に合ったものを探してみる事もおすすめです。

 

 

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