妊娠中に注意するべき成分<アルコール編>
子供を待ち望んでいる人にとって、自分が口にするものや栄養バランスって特に気になるところですよね。
その中でもアルコールは『妊婦は摂取を控えるように』といわれ、様々な商品にも注意書きがあります。特に、うっかり口にしてしまいやすいのが『お菓子』です。妊娠中に洋酒入りのチョコレート菓子を食べてしまい、後から気づいて大丈夫だったのかと不安に襲われる人も多いのではないでしょうか。
少しならいいの?
アルコールで胎児にどんな影響があるの?
そのような疑問に答えます。
どうして妊娠中はアルコールに注意が必要なの?
妊娠中、アルコールに注意しなければならない理由は、ズバリ胎児のためです。妊娠期間中のアルコール摂取は胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)になる危険性があります。
胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)とは?
・胎児の形態異常
・胎児の脳萎縮
・胎児発育不全
・ADHD(注意欠陥・多動性障害)
・成人後の依存症リスク上昇
また、それ以外にも、妊婦のうつ症状の悪化や産後の母乳量や授乳期間にも影響があるとされています。胎児の発育不全や脳萎縮などは、以前から危険視されており、妊娠中の飲酒を控えるようにいわれていた大きな要因です。ですが最近はそれだけでなく、ADHDなど成長してから気づく影響もあることがわかってきました。ADHDも依存症も、妊娠中にアルコールを摂取しなければ絶対にならない、というものではありません。しかし、そのリスクが高まるということには、注意しておかなければなりませんね。
妊娠中や妊活中にアルコールを摂取する影響
妊娠期間の中でも、特に多くの人が気づかずにお酒を飲んでいた経験があるのは『妊娠が判明するまでの期間』ではないでしょうか。
ですがこの、妊娠初期の期間は、特に注意が必要です。一般的に妊娠がわかるまでの期間の薬物摂取の影響はなしとされていますが、私たちが『妊娠に気づく』時期と『実際に受精卵が着床して妊娠し始める』時期が、同じとは限らないからです。妊娠初期は、脳をはじめ各器官形成が始まる大切な時期なので、後から「あの時、お酒を飲んでしまっていたけれど大丈夫かな?」と悩むよりは、事前に禁酒をしていた方が良いでしょう。
アルコールはどんな食品や飲料にはいってる?
アルコールが入っているものはお酒を始め、実はいろいろあります。
・アルコール飲料(酒類)
・料理酒・みりん
・ブラウニーなどの洋菓子
・ウィスキーボンボンなどのチョコレート菓子
・ラムレーズン
・ゼリー類
中でも気が付かずに食べてしまいがちなのは、洋菓子やゼリー類ではないでしょうか?
妊娠中の飲酒に関して、以前は「缶ビール1本程度ならOK」といわれていた時期もありますが、今は少量の飲酒もNGとなっています。
飲酒の量や時期に関係なく、アルコールの摂取は悪影響の可能性があると【産婦人科診療ガイドライン2017】にて記載されています。
・妊婦の体質
・胎児の体質
・飲酒した際の摂取スピード
それ以外にも、アルコールが及ぼす影響は個人差が大きく、一卵性双生児でも影響が出る子と出ない子がいるとされています。
ただしこれらが全て危険であるかというと、そうとも言い切れません。
料理酒やみりん、クッキーなどの洋菓子類も加熱することによりアルコール成分は抜けるので、過剰に心配する必要はありません。
しかしながら、以下のものは注意しなければならないでしょう。
・アルコール飲料
・焼いた後に洋酒を染み込ませるタイプのブラウニーやケーキなど
・加熱処理されていないラムレーズン
・ゼリーなど焼かないでも作れるもの
アルコールは摂取しても体内で分解され排出されるので、授乳期は摂取する量や食べてからの時間などを配慮すれば問題は起こりにくいでしょう。ですが、妊娠期間中は食べたものは血液を通して胎児へも流れますので、気をつけておくに越したことはありません。
妊活・妊娠中にアルコールに対して気をつけておくべきこと
妊娠がわかってからのアルコール摂取は『胎児の発育』や『母体のうつ症状悪化』などの悪影響があります。
アルコール飲料はもちろんですが、『加熱されていない食品』や『ブラウニーなどの洋菓子』にもアルコールが含まれていることがあり、注意が必要です。でも、どれだけ気を付けていてもうっかり口にすることはあります。
そのときはそのときです!洋酒入りのお菓子を食べてしまったときは不安でドキドキするかもしれませんが、気にしているよりも『きっと大丈夫!』と笑顔で過ごした方がいいです。
妊娠期間は長いです。その間、ずっと「起こってしまったこと」を気に病むのは、自分自身にとって良くありません。アルコールは摂取しない、うっかり摂取してしまっても気に病みすぎないで、妊娠期間を楽しめるといいですね。