葉酸は食事だけでも十分取れる?
妊娠、授乳中の女性には欠かせない葉酸は、普段の食事から十分に摂取できるのでしょうか?
この記事では、葉酸の働きと重要性、そして葉酸を効率よく、美味しく取れる献立例と、葉酸サプリメントの併用について紹介していきます。
葉酸は「造血のビタミン」
葉酸は、ビタミンB12と仲が良く、私たちの赤血球をつくる過程で欠かせない栄養素です。
新しい赤血球をつくるときに、葉酸が不足すると悪性貧血を招くといった報告もあるため「造血のビタミン」とも言われています。
また、たんぱく質や細胞をつくるときに必要な、核酸(DNAやRNA)を合成する過程でも欠かすことのできない栄養素の一つです。
食事で1日に必要な摂取量を補うのは難しい
葉酸の主な特徴として、
1. 水に溶けやすい
2. 熱に弱い
3. 体内に吸収されづらい
ということが挙げられます。
葉酸は、水溶性ビタミンなので調理中に95%が水に溶け出てしまいます。
さらには熱にも弱いので、焼く、煮る、蒸す、茹でるといった調理法ではほとんどを失ってしまいます。
また、日光に当たっても破壊されるので、野菜などは新鮮なものを食べるか、冷蔵庫や暗い場所に保存しましょう。
葉酸は体内に入ると、消化吸収されて最終的に体内に吸収する際に、50%も減少してしまいます。
このことからも分かるように、意識して毎日積極的に葉酸を摂取しない限り、普段の食事で必要量を十分に摂っていくのは難しそうですね。
それではここから葉酸を多く含む食材を見ていきましょう。
葉酸を多く含む食材
(可食部100gあたり)
・ほうれんそう 210ug
・納豆 110ug
・いちご 90ug
・アボカド 84ug
・生春菊 190ug
・にら 100ug
・きな粉 250ug
・サニーレタス 120ug
出典:食品解説つき新ビジュアル食品成分表 新訂版
葉酸は「ビタミンC」で活性型に
葉酸は、ビタミンCによって活性型に変換され、初めて活躍できます。
なのでビタミンCを多く含む果物・野菜と一緒に、毎日の食事のメニューにも取り入れていきましょう。
ビタミンCが多い食材って?
ビタミンCが多く含まれている食材は、
・キウイフルーツ
・赤ピーマン
・いちご
・ゴーヤ
・モロヘイヤ
・なす
・トマト
などがあります。
上記でも書いたように、熱に弱いので、なるべく生で食べるか調理するときは、電子レンジや蒸すといった調理方法をおすすめします。
葉酸はなぜ妊婦に必要なの?
18歳以上の女性が必要な1日の葉酸摂取基準は、240ugとされています。
妊婦さんの場合、+200ugを加えて摂ることが望ましいとされています。
葉酸がお腹の中にいる胎児の発育に必要な栄養素だからで、葉酸が不足すると神経管閉鎖障害や無脳症を引き起こす可能性が出てくるからです。
また、妊婦さんや授乳期は貧血になりやすく、体が赤血球をつくろうとするので葉酸や鉄分などの栄養素を積極的に摂取してください。
葉酸を美味しく効率的に取れる献立例
それでは、これから主食・主菜・副菜・デザートのそれぞれの献立例を紹介します。
葉酸を積極的に取り入れたメニューとなっているので、ぜひ参考にしてみて下さい。
<主食>
・にらのチヂミ
(エネルギー:238kcal 葉酸:45ug)
・鮭と春菊のチャーハン
(エネルギー:549kcal 葉酸:212ug)
・ブロッコリーと枝豆のウニクリームパスタ
(エネルギー:1537kcal 葉酸:580ug)
<主菜>
・レバニラ炒め
(エネルギー:238kcal 葉酸:690ug)
・ 納豆入りスパニッシュオムレツ
(エネルギー:483kcal 葉酸:233ug)
・芽キャベツのトマト煮
(エネルギー:279kcal 葉酸:334ug)
<副菜>
・ほうれん草の納豆和え
(エネルギー:166kcal 葉酸:631ug)
・生春菊とサニーレタスのサラダ
(エネルギー:44kcal 葉酸:63ug)
・モロヘイヤの冷製スープ
(エネルギー:686kcal 葉酸:374ug)
<デザート>
・いちご3〜5個
(エネルギー:21kcal葉酸:90ug)
・ずんだ&きな粉だんご
(エネルギー:517kcal葉酸:141ug)
・いちごバナナスムージー
(エネルギー:189kcal葉酸:130ug)
葉酸摂取はサプリメントに助けてもらおう
ここまで葉酸の働きや、合わせると吸収が良くなる食材、葉酸はなぜ妊婦さんに重要なのか、葉酸が取れる献立などを解説してきました。葉酸が多く含む食材はたくさんあるものの、調理方法によって体内の吸収率がぐんと下がってしまうことが分かったと思います。
なるべく食事だけで必要量を摂取するのが理想ですが、実際はとても難しいのでサプリメントの活用を考えてみてはいかがでしょうか。