葉酸はいつから取り始めた方がいいの?

 

妊娠4週間前から摂ることが大切です

 

妊娠の4週間前から妊娠12週まで、葉酸サプリメントを活用しながら通常の摂取推奨量240μgに加え、さらに付加用量を取る必要があります。実際に、厚生労働省は妊娠の可能性のある女性に葉酸をモノグルタミン酸として400μg付加して摂ることをすすめています。妊活中である、妊娠の可能性があるという方は意識して葉酸を摂取してください。

 

 

食事性の葉酸と葉酸サプリメントのモノグルタミン酸

 

葉酸サプリメントのモノグルタミン酸400μgは食事性の葉酸の800μgに相当します。
食事性の葉酸の利用率は調理、消化吸収過程によって半減するといわれています。
ほうれん草で800μgのモノグルタミン酸を摂るには約13株必要です。調理するだけでも大変な量といえます。サプリメントで効率よく葉酸を摂取することが大切です。

 

 

葉酸は妊娠の瞬間からはじまる赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素

 

葉酸はビタミンB群の一種で、細胞分裂やDNA合成の過程において重要な栄養素の一つです。妊娠の瞬間、受精した時から胚は分化して分裂を繰り返します。妊娠6週目には、脳は形成されています。脳や、せき髄の形成に重要な神経管の閉鎖障害によって無脳症、二分脊椎が発生するといわれています。葉酸:モノグルタミン酸の摂取により脊椎の閉鎖障害の発現のリスクを低減できるというデータが数多くの諸外国の研究によって明らかになっています。また、口唇、口蓋裂、先天性心疾患のリスクの低減も認められています。そのことから妊娠前4週間から妊娠12週目に葉酸をサプリメントで効率よく摂取すること、栄養バランスの良い食事をとることが大切であることが理解できます。

 

 

葉酸サプリメント摂取は厚生労働省によって推進されている

 

厚生労働省は神経管閉鎖障害の発現リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性に対する情報提供要領を設けて情報提供の推進をはかっています。その中には「当面、食事からの栄養摂取に加えて、いわゆる栄養補助食品から1日0.4rの葉酸を摂取すれば、神経管閉鎖障害の発症リスクが集団としてみた場合に低減することが期待できる旨情報提供を行うこと」と記述されています。

 

 

葉酸サプリメントは妊娠に気が付いてからでも遅すぎることはありません

 

12週目以降も妊娠中は葉酸の必要量は増加した状態です。葉酸の不足によってお母さんは巨赤芽球貧血になることがあります。巨赤芽球貧血の予防のためにも葉酸サプリメントでの葉酸の付加摂取は大切です。お母さんの健康は赤ちゃんの健康と直結しています。
葉酸不足に限らず、妊娠中は鉄分の不足による鉄欠乏性貧血にもなりやすい時期なので、栄養バランスの良い食事を心がけることが大切です。
妊娠12週以降に必要な葉酸の付加量は食事性で240μg、モノグルタミン酸として120μgです。

 

 

妊娠中、つわりの時期だからこそ葉酸サプリメントを

 

つわりは、妊娠4〜5週目から出現して8〜9週目にピークがあり15週目まで続く方もあります。食事の栄養バランスなど考えるどころではなくなるかもしれません。しかし食べられるタイミングと、食べられる食品、食形態を見つけて、食べてみることが必要です。栄養不足になりがちな時こそ葉酸サプリメントで葉酸を補給することが大切です。どうしても食べることができない時も、水分はとるようにしてください。水分不足になると身体はますます悲鳴を上げます。赤ちゃんへの水分となることも忘れないでください。

 

 

葉酸のはたらき

 

葉酸の栄養所要量は推定平均所要量が200μg、推奨量が240μg、上限量が1000μgです。
葉酸は、ビタミンB12と一緒に赤血球の生産で使われるビタミンです。DNAなどの核酸やたんぱく質の生合成を促進、細胞の生産、再生に関わり身体の発育にも使われる重要なビタミンです。葉酸は細胞の分裂や成熟を大きく左右するため胎児にとっては特に大切な栄養素と言えます。最新の研究では、動脈硬化や虚血性心疾患との関連性も指摘されています。過剰摂取はビタミンB12不足による貧血、重篤な疾患の後外側脊髄変性の発見を遅らせる原因となります。過剰摂取と生まれてくる赤ちゃんの喘息のリスクについて指摘している調査結果もあるため、上限量をしっかり守り葉酸を健康維持に役立てましょう。

 

 

葉酸が多く含まれる食品

 

緑黄色野菜→ほうれん草、アスパラガス、しゅんぎく、
肉類→牛レバー、鶏レバー
豆類→納豆、きな粉
魚類→うなぎ、たたみいわし
海藻類→焼きのり
※焼きのりは100g当たり葉酸が1900μg含まれますが焼きのり1枚は約3gです。
※レバーにはビタミンAが多く含まれています。動物性のビタミンA:レチノールの過剰摂取は妊娠中、胎児に奇形を引き起こすリスクを伴います。
レバー、うなぎを毎日とることはないと考えられますが、サプリメントなどを摂取することは注意が必要です。バランスよく、他のビタミン類とも合わせて吸収よく葉酸を摂りましょう。

 

 

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